適応障害のときの問題行動

精神疾患にかかっている人は、しばしば周囲からすると「問題行動」とみなされるような行動をとることがあります。それでは、適応障害の人でも、そういった行動をとることがあるのでしょうか。

ここでは、適応障害での問題行動にはどのようなものがあるのかを、掘り下げていきましょう。

適応障害とは、ある特定の状況や環境に適応できずに、精神的ダメージを受けて、それが日常生活に支障をきたすようなレベルのものである精神疾患です。

この適応障害で、どんな問題行動があるかというと、例えば職場でのストレスが原因であるとするならば、遅刻や欠勤が多くなったり、無断欠勤をすることがあったり、仕事をしてしてもいまいち身が入っていないなどといったような行動が考えられます。

また、ストレスから逃げるために飲酒やギャンブルに走ってしまったりというようなこともあるでしょう。

対人がストレスになっている合には、ひきこもりになってしまう可能性もあります。

適応障害は、一般的にはうつ病などに比べると回復もしやすく、軽度な精神疾患だと考えられがちですが、精神疾患であるという認識がそこまで広まっていないために、こうした問題行動から、会社をクビになってしまったり、離婚をしてしまうような事態になることもあります。

適応障害でトラブルが起こるようなことがあるのは、適応障害という病気自体が広く知られていないということも関係しているでしょう。

双極性障害やうつ病などの気分障害でも、こういったトラブルはしばしば見受けられるのですが、これらの病気については、その症状についてもなんとなくは知られているために、周囲が発見しやすいのです。

しかし、適応障害は、ストレス原因から身を離すと症状がよくなるということもあり、単に嫌なことから逃げているだけだと思われがちでもあります。そのため、発見が遅くなってしまって、気づいたときには悪化してうつ病などの発症していることもあるのです。

適応障害からのトラブルを避けるためには、少しでも問題行動がある場合には、怠慢を疑うのではなく、何か心に問題があるのではないかと周囲、そして本人が疑うということが重要なのかもしれません。