適応障害と対人恐怖

適応障害は、環境の変化や特定の状況・出来事などに対して、強いストレスを感じ、日常生活に支障が出るような精神疾患です。

そのストレスの元となっているものには、人間関係、気候の変化、災害など、さまざまなものが関係する可能性があります。

その中でも、対人関係に対する恐怖というのは、適応障害の原因になりやすいでしょう。

ここでは、適応障害と対人恐怖について考えてみましょう。

対人恐怖とは、文字通り、人に接すること、つまり「対人」が怖いというものです。対人恐怖のある人は、周りとの関係をうまく築けずに、対人恐怖におちいってしまい、結果的に適応障害を発症してしまうことがあります。

これは、周囲との関係にうまく「適応」できなかったためです。

そういったことは、学生の頃はよく起こりがちですが、もちろん大人になってからも対人恐怖に陥る人がいます。

また、人間関係が移り変わることに適応できないということも、対人恐怖、そして適応障害の原因となるでしょう。

対人恐怖が原因で適応障害を発症してしまった場合、その対人恐怖がどのような種類のものかということも、把握して治療を行う必要があるでしょう。

転勤や引越しで人間関係が変わってしまったためなのか、今の人間関係が自分にとってあまりなじめないような種類のものなのか、元々対人恐怖症なのかなどといったことです。

こういうことを明確にすることにより、治療やカウンセリングも効果を発揮しますし、その後の生活でも、対応の仕方、身の振る舞い方などを決めていくことができます。
治療中は、なるべくストレスを感じるような人間関係からは身を離して治療を続けるということも、必要になってくるでしょう。