適応障害とDSM-5の診断基準
WHOが定めているICD-10の他にアメリカ精神的医学会が定めているDSM-5という診断基準があります。
ICD-10の基準と期間が異なりますが、内容はそれほど変わっていません。
今回はDSM-5の適応障害における診断基準を見ていきましょう。
- はっきりと確認できるストレス因に反応して、そのストレス因の始まりから3か月以内に情動面または行動面の症状が出現
- これらの症状や行動は臨床的に意味のあるもので、それは以下のうち1つまたは両方の証拠がある。
- 症状の重症度や表現型に影響を与えうる外的文脈や文化的要因を考慮に入れても、そのストレス因に不釣り合いな程度や強度をもつ著しい苦痛
- 社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の重大な障害
- そのストレス関連障害は他の精神疾患の基準を満たしていないし、すでに存在している精神疾患の単なる悪化でもない
- その症状は正常の死別反応を示すものではない
- そのストレス因子(またはその結果)がひとたび終結すると、症状がその後さらに6カ月以上持続することはない
DSM-5のほうがDSM-5より分かりやすい基準が思いますがみなさんはどうでしょうか。
DSM-5の基準からみる基準
上記の診断基準から見ると、気分障害・うつ病・不安障害を重視して診断しています。
ICD-10はそれに加えて、暴力行為や赤ちゃん帰りという行動が後退する行為などを細かく分類されています。
ICD-10もDSM-5も共通していることは、6カ月以内以上慢性化しないこと。うつ病などの疾患とは異なること。症状によって社会生活ができない。原因がわかるストレス因子によって症状が出現した。
という観点から適応障害と判断しているということをご理解していただけたと思います。