適応障害と誤診
適応障害に限らず、精神疾患では、しばしば「誤診」という問題が起こります。これは、精神疾患の症状が、お互いに似通っている部分があるために、起こる問題でしょう。
それでは、適応障害ではどのような誤診があって、なぜ誤診が起こることがあるのでしょうか。
ここでは、適応障害の誤診について掘り下げていきましょう。
適応障害とうつ病の誤診
適応障害と症状の似ている病気には、さまざまなものがあります。
代表的なものはうつ病でしょう。うつ病と適応障害の症状はとても似ています。特に、体や精神的な部分に出てくる、体調不良や憂鬱な気分というのは、ほとんど同じです。
そのため、適応障害はしばしばうつ病と間違われることがあるのです。
この2つのなにが違うのかというと、適応障害では、はっきりとしたストレスの原因があるという点です。そのため、そのストレスの原因から離れることができれば、症状が安定するのです。
一方、うつ病にかかっている場合は、日によって症状に波はあったとしても、状況によって症状がなくなるというようなことは、ほとんどありません。
適応障害とPTSDの誤診
適応障害とPTSDも共通する部分が多く、間違えられやすい病気です。
PTSDとは、トラウマのような、生命にかかわりかねないような、重大な問題がきっかけとなって発症する病気です。フラッシュバックなどでも苦しみます。
一方で、適応障害でフラッシュバックがあることはほぼありません。
その他の病気と適応障害
その他にも、適応障害とお互いに誤診されやすい病気はさまざまです。
たとえば、不安障害の症状も、適応障害に似ています。しかし、不安障害では、不安の理由はありません。
また、自律神経失調症も適応障害と似ている部分が多くあります。ただし、自律神経失調症だと診断されても、それは誤診とは言えない場合もあります。適応障害の人の場合、自立神経失調症を併発していることもあるからです。