薬なしで適応障害を治療できるか
精神疾患の治療では、薬を用いた薬物療法も取り入れることが大半です。精神疾患の薬では、その副作用を気にされる方も多いですよね。薬なしでの治療を希望する人も少なくないでしょう。
それでは、適応障害では薬なしでの治療は可能なのでしょうか。
適応障害と薬物療法
前述のとおり、精神疾患の治療ではお薬が用いられることがよくあります。
それでは、適応障害ではどうなのかというと、実は適応障害の治療で薬が処方されるというのは、あまり多いケースではありません。つまり、適応障害の治療は、薬なしで行うことの方が多いのです。
適応障害で、薬が使われるケースがあるとすれば、適応障害によって頭痛がひどいということなら、頭痛薬、激しい不眠に悩まされているということなら、睡眠導入剤といったように、その症状を緩和させるような薬を用いることはあります。
ですが、そういった体にはっきりとした症状がないという場合は、何の薬もなしに、行動療法などだけで治療を行うこともあるのです。
なぜ薬が必要ないのか
たとえば、うつ病だと、気分が落ち込んで日常生活に支障をきたしてしまうので、それを改善するために抗うつ剤が処方されることがあります。
しかし、適応障害はそもそも何らかの環境に対して適応できない病気なので、たとえ、憂鬱な気分が続いていたとしても、それはその特定の環境が原因です。そして、その環境に適応するための薬というのはありません。
ですから、行動療法や認知療法といったような治療をメインに用いることになります。
ただし、適応障害でも、うつのような症状がひどかったり、何らかの精神疾患になってしまう可能性が高い場合は、精神を安定させるような薬が処方されることもあります。