適応障害を克服する
適応障害を克服する方法
適応障害を発症した人の中には、医療機関を受診し、薬を飲み、休職あるいは休学をして治療し、元の生活に復帰できた人もいますが、中には悪化してしまいうつ病を発症し、自殺未遂をした人まで本当にさまざまな人がいます。
「適応障害」と言っても症状や生活環境はみんなそれぞれ違い、違う悩みを持っているのです。だから、治療のマニュアルはあってないようなものと言っても過言ではないのです。生活スタイルに合わせた治療を行うことが本人にとっても一番良い治療であり、それは家族や友人、同僚などの温かいサポートが必要不可欠です。
適応障害を克服した人の体験
適応障害をお薬による治療と意識を変えることで改善した人の体験を紹介したいと思います。
A氏の事例
適応障害と診断され、治療をはじめてから半年が経過しても症状が改善されず、職場からも退職をにおわすような言葉をかけられるようになり、ますます緊張と焦りで感情コントロールができなくなっていました。
独身で一人暮らしのため、職業を失ってしまうと実家に迷惑をかけてしまうことを恐れて、無理に仕事をしていたのですが、吐き気と疲労で勤怠状況が悪く、上司からも何度も注意される始末でした。適応障害は目に見えない障害だから、理解を得ることが難しく、障害を抱えてからさらに会社での立場が悪化してしまったのです。
それまでは、両親に隠していたのですが、両親に話すと心配し、せめて症状が落ち着くまで実家で暮らすことになりました。両親は温かく迎えてくださり、家庭では自由に過ごさせてくれたそうです。
両親はA氏を迎え入れるために、近くの心療内科に相談に行き、病気の知識を得ること、家庭での関わりについても学んでいました。その甲斐あり、A氏はその後2カ月で症状が消失し、ストレスの多い職場から転職をすることを決意し、現在は新しい職場で働いています。
A氏の事例からのまとめ
A氏が適応障害を克服できたのは、適応障害への理解をしてくれたご両親のサポートを欠かせないものだったのですが、A氏はストレス因子から離れることで、自分を客観視することができたのではないかと思います。
さまざまな治療方法がありますが、客観的に自信を見つめなおすことで、適切な判断をすることができます。もし、それ以上ストレスを抱えてでも、仕事を全うしていたら、A氏は重大な精神疾患に陥っていた可能性もあります。
もちろん、転職や環境の変化はリスクも伴いますが、自分の才能や特長、個性から適切な仕事を考える機会にもなりました。さまざまな方法がありますが、自分が利用できる社会資源を最大限に利用することが良い治療に繋がるのではないかと思います。