適応障害と認知症
認知症とは
脳は人間の活動をコントロールしている司令塔になります。脳の働きが上手くいかなければ身体活動も精神活動もスムーズに行う事ができません。認知症は、いろいろな事が原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなってしまったために、様々な障害が起こり生活に支障が出ている状態のことを指します。
認知症は病名ではなく、病名がはっきりしない症候群の事を指します。
医学的には診断が認められず、原因もはっきりしていない状態のことを表します。物忘れという症状は加齢によるものと認知症が原因となるものがあります。老化が原因の場合には、物忘れでありヒントがあれば思い出す事ができます。
認知症の場合には、脳の神経細胞の急激な破壊によりおこりますので、物忘れは物事がすっぽりと抜け落ちた状態になり、ヒントを伝えたとしても思い出す事が出来ません。進行性の病気であり、本人に自覚症状はありませんが進行性があり日常生活に支障を来たします。
適応障害と認知症について
適応障害は、学校や会社に適応できない年齢層を思い浮かべますが、実は高齢の方にも多く見られます。高齢になると、老化現象が起こります。同年代の友人が亡くなったり文字が見えにくくなったり、聞こえにくくなったりと特有の現象があります。そうした変化に適応できない場合、適応障害を引き起こします。
ここで注意をしたいのが、認知症と適応障害の区別です。適応障害には抑うつを伴う事がありますが、暫くの間引きこもっているような感じをうけたら、認知症の可能性もあります。
認知症と適応障害は治療法が異なるので、診断で誤らないように脳の画像診断を行います。認知症は脳の画像を見れば異常が認められますので、容易に診断が出来ます。また、適応障害の場合には物忘れの酷さやつじつまが合わない会話といった認知症特有の問題は有りませんので、判断する基準のひとつになります。